痒いところに手が届く人

２月に定年になって常勤パートになったＹ田さん。
動きが細かくて、ねずみみたいにちょこまか動いてる。
よく言えば動作が速い。
悪く言うとガサツ。
遅番だったけど最近は朝１から入って残業要員のIさんは、Y田さんがさっさと次のことをしていくのが合わないみたいで、愚痴をよく聞く。
お昼の休憩のとき、オビジャに行ったＮさんが「ウホーウホー」って言いながら入ってきた。
定年になって社員からパートになったおばちゃんが「こんにちはって言って入ってこれば～？今日は何しに来たん？休みかな？」
弥富に転勤になったので、引っ越すのにＹ田さんに頼もうと思って来たとのこと。
「今日は交代で休憩になるから、ラインに行ったら会えるよ」って言ったけど、どうしたのかな。
午後から、Y田さんにNさんに会ったか聞いたら会ってないとのこと。
「なんやな、普段なーんにも言ってこーへんのに気持ち悪いな。どーせろくでもないこと言いに来たんちゃうか？」
『うん。ろくでもない事と思うわ。弥富に転勤になるで、引越しの手伝いをしてほしいんて』
それを聞いていた工場長が笑いながら「弥富ぐらい通えよ～」って。
まだ私、工場長の機嫌がいい日か悪い日かわからない。
こういう喋り方とか態度とか、気になってないからなのかもしれない。
『弥富って、マクバですよね？始発では仕込みに間に合わないからじゃないんですか？』
「ううん、１０時オープンやでそれに間に合えばええんやでさ」
『ふーん、業務命令での転勤なら転勤費用でそうやのに』
「ここは出えへんよ」
工場長と私の会話。
いたって普通。
多分、工場長って立場の人だから他の人は構えてるのかな。
私が鈍感なだけなのかな。
ろくでもない事を言いに来たって言ってても休みの日に手伝いに行くんじゃないかな。